座談会インタビュー
株式会社スペース 様
株式会社スペース
経営管理本部 情報システム部 IT運用課 シニアシステムエンジニア
南出 啓嗣 様
株式会社スペース
経営管理本部 情報システム部 部長
橋本 兼一 様
フューチャーインスペース株式会社
インテグレーション&コンサルティング 事業本部 アドバンスドビジネスグループ・ディレクター
守屋 博貴
フューチャーインスペース株式会社
インテグレーション&コンサルティング 事業本部 アドバンスドビジネスグループ・シニアエンジニア
加藤 洋平
開発から運用保守まで。
ワンストップのITサービスで経営と現場業務をスマートに
プロジェクト概要
株式会社スペース様は、「明日が、笑顔になる空間を。」というスローガンのもと、商業空間をはじめとしたあらゆる空間創造をサポートしている企業です。そのビジネスの根幹を担う基幹システムは、内部統制を意識した「守り」のシステムであり、運用に多大な労力がかかっていたといいます。そうした状況を打破すべく、スペース様は基幹システムのリプレースを決断。ポイントとしていたのは情報の有効活用や利益を軸とした業績把握、非効率業務の排除・改善などをはじめ、戦略的価値の高い「ジョブ管理(工事物件管理)」、「経営管理」領域を実現することでした。フューチャーインスペースは、その企画・開発から、運用・保守、セキュリティ向上の提案に至るまで、多様なサービスを提供し、スペース様のビジネスを支援しています。
業務に合ったシステムを自らの手で創る
基幹システム刷新の目的・ポイントとしていたことをお聞かせください。
橋本 入社時から営業の現場で仕事をしていたこともあり、大切にしたのは「システムを使う側の目線」でした。かつては、パッケージ製品を使用していたこともあり、「この入力作業は不要なのでは?」「なぜ、現場の社員がこの作業をする必要があるのか」といった疑問を持つことが多く、作業負荷の大きさに悩まされていたんです。業務の効率化を図るために、ゼロベースで基幹システムを見直そうと考えていました。
南出 作業の煩雑さという意味では、システムを管理する側も同じでした。たとえば、半期ごとに大規模な人事異動・組織改編が行われるときなどは、権限やワークフローを設定するために、多大な業務負荷が発生していたんです。7年近く前の話になりますが、現場の業務に支障を来さぬよう、年末の仕事納めをした後に、対応に追われるというケースもありましたから。
守屋 刷新前の基幹システムは、社員の皆さんの業務効率化よりも、内部統制をきちんとやっていこうというコンセプトのもの。提案にあたっては、情報がしっかりと可視化・共有される利便性の高さを重視したいと考えていました。
加藤 私は要件定義フェーズから、このプロジェクトに参画したのですが、やはり「より使いたくなるシステムに変えたい」という想いを強く抱いていたんです。実際に、担当者の皆さんと対話をする中でも、その点に関してのこだわりは強い「熱」を感じさせられましたね。
守屋 もうひとつ意識していたのは、システムの開発・納入に留まらず、さまざまなITサービスを通じて、ビジネスに価値ある提案をしていける「社外CIO」のような存在になることでした。スペース様と良好な関係を築けていることは、私たちにとって何よりの喜びになっています。
多くのパートナー企業から提案を受けたと思いますが、フューチャーインスペースに依頼した決め手は何だったのでしょう。
橋本 パッケージ製品では、当社のニーズを満たすことはできなかったこと。その中で、もっとも素晴らしい提案をしてくれたのがフューチャーインスペースさんだったということです。パッケージに合わせて業務を変えるのではなく、私たちの業務に合わせてシステムをつくるべきだと判断しました。ただ、社内の意見は真っ二つに分かれていましたね。「パッケージ製品を採用して、簡単に済ませればいいじゃないか」という考えのメンバーも多かった。
南出 そうですね。実際に私もそういう意見でした。システムをゼロベースでつくることに、一抹の不安を抱いていたんです。ただし、今となっては、その決断が正しかったと断言できます。
抜本的な改革で、かつてない「効率」を実現
基幹システムの刷新にあたって、スペース様の営業担当者がシステムのグランドデザインに積極的に参画されたと伺っています。
守屋 システムの利便性を追求するためには、現場の声が何より欠かせないものとなりますので、私たちからお願いさせていただきました。フューチャーグループでは、当たり前のスタイルではあるのですが、最大限のご協力をいただき、最高の環境を整えていただけたことに感謝しています。
橋本 現場が積極的にプロジェクトに参画することで、社内に対して本気度を示すことができましたし、よりよいシステムをつくる上でも大きな意味があったと思います。私にとっても、非常にいい経験になりましたよ。業務を支えるシステムに関わることで、会社の土台を理解できたし、すべての部門にヒアリングをする機会を通じて、同じ営業の仕事でもさまざまなやり方があることがわかりました。
南出 システム部門しか知らない私にとっても、営業の皆さんが持つ視点や発想は実に新鮮なものでした。以前の基幹システムは、管理部門だけでつくった仕組みでしたから、これまでにない価値を実現できたのではないでしょうか。
加藤 貴重な経験をさせていただいたのは、私たちも同じです。スペース様のオフィスにお邪魔して、要件定義を詰めていく過程は、お客さまとの一体感が生まれていたと思います。また、現場でどのような仕事をしていて、実際にどのようにシステムを使うのかを目の当たりにすることができたことも大きかったですね。お客さまをより深く知ることで、その後の提案に大きく役立ちますから。
新たな基幹システムでは、「案件の登録単位を工夫し、進捗状況を可視化する」「業務フロー・ワークフローを見直す」といった、大規模な改革が行われたと聞きます。それによって、どのようなメリットが生まれたのでしょうか。
橋本 案件の状況を可視化し、一連の業務を把握できるようになったこと。ワークフローの承認ルートを見直したことで、リードタイムが改善したこと。さまざまなメリットがありましたが、もっとも大きかったのは、予実管理をスマートに行えるようになったことですね。以前は、現場のメンバーそれぞれが受注予測と実績管理をエクセルで行っていました。そして、「エクセルに記されたデータを基幹システムに入力し直す」という無駄が生じていたんです。そうなると、現場の作業負荷が増えることはもちろんですが、経営層・管理職が状況を把握するのにタイムラグが生じてしまいます。そこで、今回の刷新を機に、データの管理を基幹システムに一元化したんです。
守屋 エクセルは個人で使うなら、これ以上ないほど便利ですが、企業全体で情報を管理し、分析していくことには適していません。「ある部分の管理はエクセルでできないか?」という要望もいただきましたが、この点は強くお願いさせていただきました。
橋本 人それぞれのスタイルで管理していたものを集めて、要点をおさえたフォーマットをつくる。かなり地道な作業でしたが、その甲斐はありました。エクセルのデータを入力し直すといった無駄を排除し、その時間を「それぞれが本当にやるべき仕事」に充てることができるようになったし、経営側の管理もスマートになった。この点は大きなメリットだと思っています。
スクラッチで新たなシステムを開発することに不安を感じていたというお話もありました。
南出 案件管理、予実管理、勤怠、会計・経理……。さまざまな領域において、作業ボリュームは膨大でしたし、オンプレミスからクラウドへの移行による影響も考慮する必要がありました。そうした状況にあって、大きな助けになってくれたのが、フューチャーインスペースさんです。とにかく親身になって、グイグイと入り込んできてくれる。この点は、他のパートナーにはない独自性だと思います。当社のことをしっかりと理解してくれているから、課題感もしっかり共有できているんです。
守屋 そこが、私たちの独自性であり、大きな強みだと自負しています。「要件をいただかないと動けない」では、パートナー失格です。たとえば、スペース様の会計・経理システムは他のパートナーさんの範疇でしたが、しっかりと関与してコントロールするように心がけていました。
よりよいシステムを共につくる
カットオーバーを迎えた後も、スペース様の基幹システムはさらなる改善を続けているそうですね。「つくったら終わり」ではない点に、こだわりを感じます。
橋本 正直、カットオーバーしたタイミングでは、「よし終わった」と思っていましたよ(笑)。ただ、実際に使われて、現場から上がってくる声を聞くと、「それ、いいな」という意見がたくさん出てくるわけです。「これで完成だと思ってはいけない」と考えたのは、そのときです。よりよいものをつくっていく上で、開発から一貫して携わってくれるフューチャーインスペースさんの存在は非常に大きなものだと思っています。
加藤 常に「どうすればいいか」を考えて取り組んでいけるスペース様の案件は、私たちにも多くの成長の機会を与えてくださっています。こうした関係を築かせていただいていることは、私たちにとって何より嬉しいことです。
今後、フューチャーインスペースに期待することをお聞かせください。
橋本 私たちが望むことも、弱い部分もすべて理解してくれているから、フューチャーインスペースさんも「この提案が響くな」というのがわかっているんですよね。ビジネスを飛躍させるために「やるべきこと」をしっかりと提案してくれる。背中を押してくれる。今後もそんな存在であり続けてほしいと思っています。それは、私たちだけでは難しいこと。今も、何かあれば、真っ先に相談していますからね。
守屋 何か困りごとがあれば、最初に相談していただける。とてもありがたいことだと思います。その期待に応えたいと思うからこそ、面白い技術やサービスがあれば、真っ先に提案させていただいていますから。
ありがとうございます。ちなみに、基幹システムが刷新されたことで、南出さんの作業負荷も軽減されたのでしょうか。
南出 おかげさまで、年末年始はゆっくりと過ごさせていただいています(笑)。