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TOP基幹システムを支え続けることが人々の暮らしと幸せにつながっていく

座談会インタビュー

株式会社ローソン 様

フューチャーインスペース株式会社
インテグレーション&コンサルティング事業本部 アドバンスドビジネスグループ・グループリーダー・取締役

松岡 芳昭

株式会社ローソン
SCMシステム部 部長

中川 寛之様

フューチャーインスペース株式会社
インテグレーション&コンサルティング事業本部 アドバンスドビジネスグループ・マネジャー

安田 吏礎

基幹システムを支え続けることが
人々の暮らしと幸せにつながっていく

Project Outline

プロジェクト概要

日本のコンビニエンスストアチェーン・ローソン様は、国内14,612店舗〈ローソンストア100の646含む〉、海外7,350店舗(2024年4月末時点)を展開し、人々の暮らしを支える社会インフラとしての使命を果たしています。「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」を3つの約束に、イノベーションや商品サービス強化で社会課題や多様に変化する価値観にスピード感をもって応え、笑顔が集まり、誰もが「ほっ」とできる、「マチのほっとステーション」を実現する。フューチャーインスペースは、日本国内の本部業務や店舗業務向けの統合マスタシステムの保守・エンハンス開発を手がけるなど、価値共創のパートナーとして、ローソン様のビジネスを支え続けています。

コンビニビジネスの根幹を担うシステム

まずは、現在のコンビニ業界が抱える課題についてお聞かせください。

中川 労働人口の減少による人手不足の中で、さらなるサービスの拡充が求められている。端的ですが、そこに尽きると思っています。ローソンが選ばれる理由をつくるには、多様化するニーズに応えていく豊富なメニューが必要だけれど、そのためのリソースが不足している。DXやテクノロジーの存在は、そこをカバーしてくれる最重要手段だと思っています。たとえば、何か新しいサービスを始めようと考えたときなどは、「そのためのシステム、どうしよう?」というところから入りますからね。

ローソンがさらなる飛躍・発展を遂げていく上で、テクノロジーがきわめて重要な意味を持っている。そうした中、FISのお二人はどのようなことを意識して、システムに向き合っているのでしょうか。

安田 私たちが手がける統合マスタシステムは、店舗、商品、契約、人事など、ローソン様のビジネスにおける源泉データの登録・管理と後続システムへの配信を担っています。すべての基となるデータを扱っているだけに、ここで障害が発生してしまうと、連携している数十システムや1000を超える機能に影響を及ぼすことになる。だからこそ、強い責任感とシステム全体を俯瞰する視野をもって、日々の業務に向き合うようにしています。

松岡 私たちが手がけるシステムの向こう側には、中川さんら本部の皆さんだけでなく、何千人ものオーナー様、何千万人ものお客さまがいるわけです。そうした方々にご迷惑をおかけしないよう、何事もなくシステムを安定的に稼働していく。社会インフラを支えている使命感を持つことが、何よりも大切だと考えています。

独自の「色」を発揮する良質な土壌をつくるために

今やコンビニは、人々の暮らしに欠かせないインフラになっています。その根幹を支えるシステムを守っているわけですね。

安田 そうですね。ただし、私たちは言われたことだけをこなすような仕事はしていません。ローソン様の成長スピードはきわめて早く、その期待に応えていくためには、単なる保守ではなく、よりよい価値を提案し続けていく必要があるんです。

松岡 ローソン様だったら、どう考えるだろうか。次に何を実現していきたいのか。常にお客さまの立場になって考え、主体的に行動していく。そうでなければ、ローソン様のパートナーは務まりません。

2023年8月に実施した「納品エリアコードの拡張」もそうした取り組みのひとつだったようですね。

中川 私たちのビジネスが拡大するに従って、扱うデータ量も格段に跳ね上がりました。店舗拡大に伴うかたちで、商品配送単位である納品エリアも拡大してきましたが、システム管理可能な納品エリア数の上限に到達しそうな状況となっていたんです。そこで、将来の柔軟性を考慮して、コードを拡張していこうと考えました。

この取り組みの「ねらい」はどこにあったのでしょう。

中川 私たちは、全国に約14,600店舗を展開していますが、どのような商品・サービスが求められているかは地域によって代わります。また、オーナーお1人お1人に「お店づくり」の意向も異なるわけです。さらなるデータの拡張は、そうした「色」を発揮させるためのもの。それが、オーナーやお客さまの期待に沿う原動力となり、ローソンが選ばれる理由をつくることにもつながっていくと考えています。

それだけの店舗を一括で支えていることでも大変なのに、それぞれのオーナーさんの「独自性」をも実現しようというのはすごいことですね。

安田 中川さんが仰るとおり、この取り組みは次代の発展・飛躍に向けた「良質な土壌づくり」が目的であったと思います。どれだけ、素晴らしいアイデアがあったとしても、それを実現するためのシステムがそこに追いついていかなければ、「良質な果実」は実らないものですからね。

このプロジェクトにおいて、苦労したことはありますか?

安田 「コードの桁を拡張すればいいだけじゃないか」と考える人も多いかと思いますが、先ほどお話ししたとおり、このシステムで扱うデータは40システム・1000機能と連携するものなんです。だからこそ、拡張によって他のシステムに影響を及ぼすことがないかを一つひとつ、丁寧に検証していきました。こうした苦労は、決してビジネスを止めてはいけない、ローソン様ならではのものだと思っていますよ。

「当たり前に動かすこと」の難しさ

私たち消費者が、当たり前のようにコンビニを利用している背景には、皆さんのさまざまな苦労があるのですね。

松岡 私たちの仕事には、「門限」という概念があるんです。ある時間までに、必要なマスタデータを連携するシステムに届けなければならない。でなければ、お店で商品を販売することができなくなってしまうわけです。

中川 たとえば、「からあげクン」という人気商品には、期間限定のさまざまなフレーバーが登場します。ですが、仮にデータが間に合わない事態が生じれば、目の前にそれがあるのに販売できないとなってしまうわけですね。

安田 「からあげクン」は、美味しいですよね。ただ、内側を見ると、運用データが多くて難解な仕組みがあることは、誰も知らないでしょうが……(笑)。

――確かに、私たちとしては、「からあげクン」にいくつものデータが関わっているなんて考えもしません(笑)。

中川 ビジネスを当たり前に動かしていく。その背景には、さまざまな苦労があるんです。店舗でのビジネスがストップしてしまうような体制にはなっていないし、そうした事態になることは絶対にないけれど、小さな障害が起きることはしばしばあります。特定の時間帯に、安田さんから電話があったときは……。

安田 大抵、いい話ではないですね(笑)。

中川 そうそう(笑)。ただ、苦労はいろいろとあるけれど、このシステムや運用・保守については、システムがカットオーバーされて以降、常に進化し続けていますよね。障害による影響を可視化する機能をはじめ、皆さんのおかげで実現できた価値がいくつもありますから。

そうした苦労がある一方で、私たちの暮らしに身近なローソンを支えているシステムに携わる仕事には、相応の喜びがあると思います。

松岡 ローソンに行かない日はないくらいですからね。新しいサービスや商品が登場しているのを見るだけで、嬉しい気持ちになれますよ。私個人的には、近所の文房具店が閉店してしまった代わりに、いい文房具を買えることがありがたかったですかね。「良品計画」さんとのタイアップは、とても重宝しています。

安田 ローソン様は消費者のニーズに応えるビジネスを展開しています。そのため、さまざまなデータを見ていると、世の中の流れが一目でわかるんですよ。今、人々が何を求めていて、どのようなことに価値を感じるのか。強く好奇心を揺さぶられる仕事だと思っています。

中川 これは職業病かもしれないけれど、他の店舗で素晴らしいサービスを見つけたときに、その裏側を考えるようになりましたね。この業務とこのデータを組み合わせて、こんな仕組みをつくっているんだろうな、なんて思考を巡らすのが楽しくて……(笑)。

松岡・安田 あるあるですね(笑)。

成長と飛躍のために、システムはある

住民票を取得することができたり、電子マネーをチャージできたり。コンビニでできることは、ますます拡大しています。未来のコンビニはどうなっていくのでしょうか。

中川 今はインターネットでモノを買い、サービスを受けられる時代になりました。ですが、より身近で、タイムリーにその価値を享受できるといった意味では、コンビニの可能性はさらに広がっていくと思います。私たちだけでも、全国に約14,600店舗を展開していますからね。さらなるメニューの拡大、無人店舗化など多くの課題はありますが、「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします」というグループ理念を体現するような場所をつくりあげていきたいものですね。

そのためにも、ビジネスの根幹を担う皆さまの仕事はますます重要になります。今後の展望や意気込みをお聞かせくださいますか。

松岡 一番は、私たちのシステムの先にいるオーナー様やお客さまに安心していただける状況を守ることです。そして、現状に甘んじることなく、裏側のシステムをより洗練されたものにしていきたいと考えています。最新のテクノロジーを提案するなど、ローソン様の共創のパートナーとして、ふさわしい仕事をしていきたいですね。

安田 ローソン様の成長速度は、きわめて早い。だからこそ、データ量も飛躍的に増加していきます。システムは、お客さまのビジネスを飛躍させるために存在しているものです。その成長を邪魔するようでは、存在する意味がありません。お客さまのやりたいことや、実現したい未来を共に考え、それを実現するための価値を提示できる存在でありたいものですね。

中川 マスタデータや実績を扱う基幹システムを任せるに当たって、いい加減な対応をされてしまうとこちらとしても、困ってしまいます。そのシステムの先にいるオーナー、そしてお客さま。その存在を真摯に見据え、考え、同じ方向を向いてくれる。FISさんは、私たちにとって、とてもありがたい存在です。これまでと変わらず、常に価値を提案してくれることを期待していますよ。

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