フューチャーグループに入社する以前、前職でシステムエンジニアとして経験を積んでいた私は、フューチャーグループにキャリア入社して早々、大きなカルチャーショックを経験することになります。
お客様から、とある新機能の実装を相談され、「それなら、これくらいの工数・期間で実現できます」と自信満々で回答したところ、上司から眉をひそめられてしまったのです。「お客様の望む機能をそのまま実現することが本当にお客様のためになるのか」「背景にある課題を考慮すると、別のアプローチが考えられるのではないか」。その視線の先には、お客様に対する「本質的な価値提供」が見据えられていたのです。お客様の未来価値にこだわり、経営とシステムをデザインする。この考え方こそが、フューチャーグループの独自性を生む「原点」だと私は考えています。

コンサルティングからシステムの構築、運用・保守に至るまで、一気通貫でビジネスに新たな価値を創造する。フューチャーグループの運用・保守フェーズを担うフューチャーインスペースは、お客様の「未来価値」を創造・実現する伴走者のような企業です。あたりまえのことですが、システムのカットオーバーはゴールではなく、価値創造に向けたスタートになります。お客様とともに歩み、システムの安定稼働はもちろん、お客様のビジネスを知り尽くし、ビジネスを発展させる提案や独自の開発を続けていく。私たちが提供する「運用・保守」は、ITのライフサイクルすべてにおよぶ幅広いもので、従来のそれとは一線を画す「未来価値」を実現するものだと自負しています。

お客様にとって「頼れる社外CIO」でありたい。それが、私たちが掲げる「あるべき姿」であり、存在意義です。そして、その姿を体現するのは、紛れもなく一人ひとりの人材だと言えます。フューチャーインスペースのエンジニアたちは、かつてない困難や、一分一秒を争うシビアな場面に立ち向かっています。私自身も、そうした「痺れる現場」を何度も経験してきました。そうした場面での経験は、一行のコードの重みを私に教えてくれました。さらには、運用を見据えた開発やシステム改善に対する当事者意識を芽生えさせてくれました。そして、知識や技術を頭で理解するだけでなく、血肉になるレベルに昇華させてくれたのです。一つひとつのチャレンジを積み重ねた人材は、単なるビジネスパーソンからプロフェッショナルへと進化していきます。自らの仕事に誇りを抱き、言われた作業をこなすだけの仕事を由とはしない。それぞれが当事者意識をもって考え、価値ある提案をしようとチャレンジを続けていく。そんな組織を実現していくことが、経営者としての使命であると考えています。

労働人口が減少していく中で、ITとビジネスの知見を兼ね備えた高度な人材の育成・採用は、ますます困難なものとなっています。そうした状況の中で、お客様の成功にコミットする伴走者の存在は、さらに希少なものになっていくでしょう。だからこそ、私たちフューチャーインスペースも、さらなる進化を遂げていかなければいけません。理想を絵に描いた餅で終わらせることなく、技術者の成長を最大化させること。フューチャーグループとの連携をさらに密なものとし、最先端の技術と多様な分野・業種の課題を解決してきた知見を提供すること。私たちは “戦略的なパートナーとしての価値”を提供し続けるためのチャレンジに邁進していきます。